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『永遠 〜はるのよの ゆめのうきはし とだえして みねに わかるる よこぐものそら〜』

2018、京都

京都文化力プロジェクト2016-2020の一環として行われた実施コンペで、京都の北山通り沿いにある旧京都府立総合資料館の前庭に、制作補助費500万円で自由に空間インスタレーションを提案するもの。
審査員は、安藤忠雄(建築家)、片岡真美(森美術館チーフ・キュレーター、京都造形芸術大学教授)、建畠哲(京都芸術センター艦長、多摩美術大学学長)の3名。

concept
『春の夜の夢の浮橋とだえして峰に別るる横雲の空』(藤原定家「新古今和歌集・巻第一・春歌上38」)

(現代語訳)
春の夜、まるでゆらゆらと頼りない浮き橋が途切れるように儚い夢が途切れて目を冷ますと、山の峰を横雲がゆっくりはなれてゆく夜明けの空が見渡せるのでした。

このインスタレーションは、京都に大変ゆかりの深い鎌倉時代の歌人・藤原定家の代表的な歌の世界と現実の世界をつなぐものです。
この歌は、大切な人との出会いと別れを「儚い夢」に例えていると言われ、そこには「儚い夢」であっても、それが永遠に続くことを望む「永遠性」への希求があると思われます。そして、「横雲」の動きが絶妙に空の存在を強調し、「空」がその夢の”儚さ”を象徴的に物語っています。

このインスタレーションで設置するのは、「永遠」の象徴でもある「空」に向かって上昇(希求)し、夜にはぼんやりと発光しながら空中に浮かぶ階段のみです。
空に向かって永遠に上昇するかのような階段は、階段の始まる場所(現在の自分)とそのつながる先である不確かな場所(夢の中の自分)をつなぐことも意味します。
ある人は、そこに遠い未知なる世界とつながることを夢見るかもしれません。又ある人は、今は亡き愛する人が舞い降りてくることを夢見るかもしれません。

この歌を意識しながら、天空へと一直線に伸びる階段に思いを馳せることで、「遠い過去の京都」=「現在の自分(がいる京都)」=「未来の京都」を意識的につなぐことでしょう。
(ちなみに、京都府立総合資料館には、仁融筆の写本「新古今和歌集」が保存されています)

京都文化力プロジェクト公式コンペサイト


■空間インスタレーション
鉄骨造
構造設計:平岩良之

■ a temporary architecture
Structure: steel
Structural engineers:YOSHIYUKI HIRAIWA

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